CLASSIC スタッフブログ Vol.32
このコーナでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。
それでは今回もお楽しみください!
営業本部の大関です。
苗字のイメージで体の大きなお相撲さんやワンカップの日本酒を連想される方が多いみたいですが、家では「としっぺ」と緩い愛称で呼ばれています。
■僕は歩く
月が僕を照らし初冬の夜を歩く。
何かを探しに歩いているわけでも何かに誘われたわけではなく僕は歩いている。
星が見える、明日は晴れそうだなぁ…
など呑気なことを言っている場合ではない!
僕は終電で寝過ごし、不慣れな駅で下車して10kmを超える道のりを歩いて帰ろうとしている。
吹き込む風は数時間前まで楽しく飲んでいたアルコールを覚ますには十分な寒さだ。
自分の不甲斐なさを呪う気持ちが歩み一歩一歩を重たくさせる。
道を聞くにも人どころか野良猫も見当たらない民家を右往左往し、少しばかり不審者になり始めた僕の頼りはバッテリー残量が僅かのスマホの地図。
妻に事情を説明して帰りが遅くなることを伝える。
妻は危ないからタクシー使って帰宅することを奨めてくれるが頑なに断り歩くことにした。
自分への戒めと言えば聞こえがいいが、要は僕のお財布事情である。お小遣い制のためここでの予定外の出費は避けたい。
寒さで鼻水も止まらず半泣き状態で2時間半くらい歩き何とか帰宅することが出来た。
僕はこれを教訓に二度と寝過ごすまいと誓うのであった。
■睡魔に勝て
仕事終わりに成田駅近辺でお酒を楽しく飲んでいる。
しかし楽しい気持ちと隣り合わせに終電を乗り過ごすまいという緊張感を纏いながら飲んでいる。宴は続くが終電と明日の仕事を危惧して店を早々に抜け出し終電の数本前の電車に乗った、しかも運よく乗り換えをせずに最寄り駅まで行ける電車だ。そして前回の失敗があるので妻に帰る時は連絡を入れる。
美味しかったお酒と電車内で適度に温かくなったシートに身を委ねると睡魔が襲ってくる…
ダメ、ダメ!同じ轍は踏まない!寝てはいけない!
瞼が重い、一瞬目を閉じた…
いかん!慌てて目を見開き寝落ちするのを回避した!前回の経験が役立った!
良くやった!Good Job!など自分を褒めちぎる。
ぼんやり窓の外を眺めていると車内のアナウンスが流れる
「次は日暮里~、日暮里~」
「はぁ、にっぽり…」、「ん?」
『にっぽり?』
『ニッポリ?』
『Nippori?』
色々と頭の中で高速に変換してみたがどうやっても『日暮里』にしかならない。
東京都荒川区の日暮里ですよね?思いっきり寝過ごしているではないか
しかも県を跨いでいるではないか!
恐る恐るスマホを見ると妻から数えきれない程の着信とメッセージ…やらかした
先ずは一回落ち着こう、まだ終電はある。冷静に電車を乗り換え家路へと向かう。
今回は深夜に歩いて帰ることは回避できたが前科者なので妻の反応が怖い、急いで事情を説明して先に寝ていてほしいと伝える。
日付が変わったが無事に家に着き、妻を起こさない様に息を殺し静かに家に入る。
良かった…妻は先に寝ているようだ。忍者の様に気配を消して家の中を移動する、安心しきっていた僕にまさかの刺客が襲う、我が家のセキセイインコだ。
彼が僕の帰宅に気が付いた。いつもは僕にたいして興味を示さないのに今日に限って地元のスポーツチームが優勝して凱旋した時のような熱烈歓迎ぶり、大フィーバーでおしゃべりを始める。
挙句の果てに「Y子さん!Y子さん!」妻の名前を大声で呼ぶ!止めてくれ!妻が起きる!落ち着けY子さんじゃないぞ!
「としっぺぇ~」気の抜けた炭酸のような声で僕を呼ぶ。
「おお、そうだY子さんではなくて、としっぺの方だ」
いや違う!名前はどうでもいい、おしゃべりを止めてくれ、おしゃべりは朝になってから思う存分してくれ。
「おかえり」
「只今、もどりました」
戦地から戻った兵士が上官に対するように深々とお辞儀をする。
起こしてしまった。毎度毎度申し訳ない…お酒の飲み方をもう少し学びます。
僕にとってお酒と電車は相性が悪いようです、これからはもっと注意せねば。
コロナウイルスの影響で今では外で飲む機会がなく乗り過ごす心配はなくなりました、でもまた外で楽しく飲み行きたいです。
■今日こそ
さぁ仕事が終わったので家に帰ろう、駅の案内を見ると乗りたい電車は20分先かぁ。
コンビニで買ったビールのプルタブを軽快に開けて自分に言い聞かせる。
『今日こそ寝過ごさないぞ』
「いいね!」