クラシック試験室から 第9回
■11月、お湯割りの美味しい季節
クラシック試験室の北﨑です。
11月も中旬となり、今年もあとひと月半となりました。
衣替えといえば学生さんなどは10月ですが、実際に厚い上着を着るようになるのは11月からかなぁ…
私が帰宅して楽しみにしている晩酌も、冷たい泡の出る飲み物から、湯気の立つ飲み物へと変わって久しくなってきています。
■のどもと過ぎれば… じゃ、ダメなんですよね
さて、
試験室での仕事の醍醐味といえば、品質の課題に対して対策を考えて実行し、その効果が確認できた時に感じられます。
いまの時季は、花傷みやカビのリスクは下がってきますね。
気温の低下に伴って、冷蔵庫からお花を出しても結露が大発生!とはなりにくいので、当たり前といえば当たり前の現象です。
ぶしつけな言い方をしてしまえば、品質課題を見つけて解決する私の仕事から見れば、当たり前のことが当たり前におきている状態は、面白くもなんともないって感じすらしてしまいます。
でも、暑い夏の間はそうではなかったはずですよね。
今回強く申し上げたいのは、夏におきていたクレームを、寒くなったら忘れてしまってはいけないってことですよ!
目の前の仕入れの仕事を考えれば、これから年末年始商戦に向けて忙しくなってくる時ではあります。
そうではありますが、対策に時間のかかるお花の栽培において「来年の夏に向けた対策」をいつ考えるんですか?「今でしょう!」ってことなんです。
のどもと過ぎれば熱くないで済ませる事を決してしないで、より良いお花をお客様にお届けする為に、今しかできない事を考え、実行していきたいと考えていますし、クラシック社内でもそうした考え方が今以上に、しっかりと浸透する様にしていきたいものです。
■ファイティング インスペクター!
ここしばらく、ある商品の花もちが伸びる条件が見つけられないか、調べていました。
幸い、ある処理をするとうまくいくケースがあり、データも揃ってきたんですね!
試験者(クオリティ インスペクター)としては当然「やった!」という気持ちで、仕入れ者に提言をするわけです。
すると、農園で現在行っている処理のメリットを消してしまう可能性があるって反論がきたんです。
より良い商品にする為の議論なので、わいわい色々な意見をぶつけるのは、すごく大事なことなんですが、現行の処理を行っている理由を訊いてみると「今までの慣習」という答え…
これには私もびっくり!
科学的な根拠はなく、エビデンスとなるデータの蓄積もなく、ただ今までやっていたから…
普段は温厚な(?)私も、こりゃキレますわなぁ。
品質の門番として、色々な課題提起や提案をしますが、打っても響かない時は、ファイティング インスペクターに変身して、声を荒げる事もしばしばです。
それでも響かないと、ファイティング インスペクターのつもりが、相手の見えないシャドーボクサーになってしまいます…(涙)
幸い、良い商品につなげたいという想いはみんな一緒なので、最後は同じ方向に向いて頑張れるんですが、品質を保つためには、ファイテイングポーズも厭わずに頑張る必要があるってことです。
■感謝の気持ち
お客様に良い気持ちでお花を愛でていただく為に、日々努力しているつもりですし、忘れてはいけないのは、お客様にお買い上げいただく時の感謝の気持ちだと思っているんです。
商品梱包などに「ありがとう」の気持ちを書くことは一般的に行われていますし、私としてはとても良い事だと思っています。
前回もお話ししましたが、そうした感謝の気持ちを書いたお花と、そうではない普通の梱包の箱で、何かお花の品質に少しでも違いが出るか? ばからしい確認といえばそれまでですが、そんな試験をしてみました。
その結果…
残念ながら、大方の予想通り有意な差というものは見つけることはできませんでした。
でも、やっぱり感謝の気持ちは伝えたい。そんな要望は、会社内の販売促進担当にぶつけています。
こんなところでも、ファイティング インスペクターですわ。
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■輸入商社 英語が喋れればOK?
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輸入商社ですから、お花は海外から調達します。
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当然日常のコミュニケーションは英語中心となりますし、英語が話せることは必須条件です。
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でも、必須条件だけど、英語さえ話せればそれでよいかとなれば、別の問題となります。
現地の農園と何の話をしますか?品質の話ができていますか?という事が問われてきますね。
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ですから、社内で、品質テストというのをやっています。
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まずは初級編からってことで、
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問題:お花からは水蒸気が大気中に放出されます。この現象は(〇〇)と呼ばれます。花びら・茎・葉のうち、一般的には葉からの(〇〇)量が最も多くなります。
(〇〇)には同一のことばが入ります。(〇〇)に入る適当な言葉(漢字であれば2文字)を書いてみましょう。
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という様な易しい問題を20問です。
(ちなみにこの問題の答えは、全員が蒸散って書いてくれました…ホッ!)
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品質の問題について、あいまいな言葉(例えば花シミや腐り)でその場をやり過ごさない。
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要因分析ができるまでの厳格さとしつこさで、農園との信頼関係もより強く築いていきたいと考えています。
■花のある暮らしっく
今回は、まじめに(少しファイティング モードで)書き綴ってしまいましたが、そのくらいの活動量の中からクラシックのお花たちは世の中に出て行っています。
まだまだ完全ではありませんが、お客様のお近くで、いつでも気軽に楽しんでいただけるお花であってくれたらこんなに嬉しいことはありません。
クラシックでは、#花のある暮らしっく を、さらに拡めていきたいと思っています。
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