クラシック試験室から 第11回
■好きな季節到来なんですが…
クラシック試験室の北﨑です。
新緑の5月になりました。
前回のブログで「寒い時期は苦手」と申し上げた通り、暑くもなく寒くもないこの時期は、秋に続いて私の好きな季節です。
世の中は大型連休に突入となりますが、コロナの影響で昨年と同様、だいぶ制約を受けた楽しみ方を余儀なくされる感じですね。
もっとも、私にとっては、季節を敏感に感じとる風流な気持ちを楽しむというより、別のコト… どちらかといえばムズムズとした嫌なコトが気になる季節でもあります。
ちょっと嫌な表現となりますが、だんだん生ゴミの臭いなどが気になり始めてくるシーズンになってきたと…。
そう!切り花にとって”腐り“って厄介なものを気にかけなくてはならない季節がやってきたという事です。
■母の日って、切花にとっては避けたいタイミング!?
毎年「母の日がもう少し別のタイミングだったら良いのに…」と同じことを思います。
切り花の大敵である灰色かび病は、比較的低温(15~20℃) であっても、多湿の場合に発病が多いものです。
天気のことわざで「春に三日の晴れなし」といわれるように天気の変化が激しく、湿度も高くなる場合があるんですよね。
つまり、病原菌の発育に適した条件が揃いやすいと考えられます。
お花の蒸れは夏場に限った問題ではなく、母の日の前にすでに警戒モードに入ってきます。
■見えない“菌”との戦い
新型コロナウィルスもそうですが、“菌”って見えないんですよね(…あたり前のことですね)
見えないものって、想定しにくいし、想像しにくいです。
見えないものを掃除する、きれいにするって「やった感」「達成感」って感じられますか?
もう、これは知識に基づく確信でやる/やり切るしかないですよね。
しかも…
先手先手の対応が大切という事で、予防を強化する。
すると、予防が効いてくればくるほど「何も起きない」んです。
さてさて、こうなるとやる気の維持は、ますます難しくなってきてしまいますね。
■嬉しいデータも
ボトリチス菌も、葉の中に入ってしまうと、見た目では判別できずに、後からカビとなって出てくるという厄介なやつです。
クラシックでは、輸入した花を、成田にある温度管理されたオペレーションセンターで、開梱し、検品し、リパックして出荷しています。
一方で、お客様の要望により、輸入したままの荷姿(原箱)で出荷する場合もあります。
本当はゼロであってほしいクレームですが、クレーム率という事で比較しますと、リパック品の方が原箱に比べてクレーム率が50%低いとのデータがあります。
お客様に、良い商品としてお届けしたいという思いで行う私たちの検品・リパック、言い換えれば”菌”との戦いは、きちんと意味がある、効果が出ているという証になっているんですね。
こうした事で、モチベーションも保ちながら、お客様に楽しんでいただけるよう、日々最善を尽くしています!
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■品質
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先ほど「クレーム」について話をしましたが、「クレームがないから良い商品」とは、決して思っていません。
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言い換えれば、クレームは商品評価という事ではなく、お客様から私たちへ(言いたくもない)情報を伝えていただいた事だと思っています。
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満足いかない商品であっても、クレームにならない(我慢してしまう/あきらめてしまう)ケースはたくさんあると考えています。
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花は必需品ではないけれども必要品ではないかと、以前申し上げたことがあります。
お客様が花を楽しむ場合には、それぞれの“感性”に依るところですので、絶対的な品質基準を決めることはとても難しいことだと思っています。
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でも、きちんと商品情報を付けて、その表示と内容(商品そのもの)を一致させることに対して、気を配り、考え得る工夫を重ねていかなくてはならないと考えています。
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「お値段以上…」という宣伝文句がありますが、お値段通り!というクオリティを目指していきたいと思っています。
■さて…
だいぶ偉そうなことを書いてきましたが、「自分の家の掃除」もままならないという現実もあります。
春に3日の晴れ無し!といいましたが、自宅の小さな庭の雑草も伸び放題、草刈りも大変です。
都会暮らしの方には想像しにくいかもしれませんが、田舎暮らしで、車通勤で「密」がなく、運転するので居酒屋に寄り道する事もなく、コロナ禍でも生活様式が変わらない!
ということで
せめて、部屋の中には一輪の花を飾り、うまい酒をチビチビ楽しみたいものです。
花のある暮らしっく!
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