代表取締役社長より新年のごあいさつ
■明けましておめでとうございます。
このブログをご覧になる全てのみなさまに対し、新年のお慶びを申し上げます。
弊社スタッフが毎週全身全霊(?)をかけてみなさまに発信しているスタッフブログも昨年末までで85回を数えました。クラシックのこと、クラシックが取り扱う花のこと、そしてクラシックで働く社員たちのことを少しでもみなさまに知っていただくことがもしできているならば、こんなに嬉しいことはありません。今後ともお楽しみいただければ幸いです。
■コロナ禍での切花マーケットの変化
さて、振り返ればスタッフブログの第1回目は2020年2月、奇しくも新型コロナが日本に広がり始めたころです。それから早くも2年が経とうとしていますが、その影響は2年前には想像できなかったほど長引いており、未だすっきりした状況にはなっていません。
コロナ前、日本の花業界における課題のメイントピックは長らく「需要の減少」でした。バブル期でピークアウトした国内需要の減少をいかに食い止めるか、そして新たな需要をいかに創出していくか、でした。
この課題は必ずしも解決されたわけではありません。しかし、コロナ禍を契機にホームユースが活気づき、サブスクなどの新しい形が定着しつつあるなど、明るい兆しは確実に見えてきています。私自身がこの2年間で実感したのは日本の切花マーケットにおける「需要の底堅さ」です。
しかし、その代わりに顕著になり、見えるようになってきたのが「供給不足」。
クラシックにとっても昨年2021年は、2020年に引き続いて新型コロナとそれに伴う国際物流の混乱に翻弄された1年でした。直近12月においても、オミクロン株による急な航空便減便等により一部の方へのご不便、ご迷惑をおかけしたことを改めてお詫び申し上げたいと思います。
■課題と使命
年間13億本程度で推移していた輸入切花は2020年に新型コロナによる混乱で11.5億本(対2019年比▲11%減)まで減少しました。そして昨年2021年は1~11月時点で「対2020年比+3%増」「対2019年比▲9%減」ですので、通年では12億本程度になる見込みです。
つまり、まだ輸入はコロナ前の供給量までにも、戻せていません。
もともと長らく減少傾向の国産生産に加えて輸入までが減ってしまい、国内生産を補わなければならない役割であるはずの輸入切花自身が「十分な供給ができていない」という、おそらく初めてであろう試練を受けています。
日本の花マーケットの「需要」は確実に存在します。そして新しい風も間違いなく吹いています。しかし、そこに花がなければ、存在するはずの需要まで消えてしまいかねません。
会長の西尾義彦が弊社を設立した45年前1%に未満だった切花の輸入比率は3割近くとなりました。
みなさまに認めていただけるようになってきた大きな要素は「欲しい時に欲しい量をしっかりと供給することができる」という、ある意味電気や水道のようなインフラに近い、安定性や確実性にあると考えています。
そのため「輸入は頼りにならないよね」と今までの信頼を損ないかねない今の状況は輸入商社として大きな危機感があります。
その中で昨年来、わたしたちクラシックは”安定”という括りで「安定品質」「安定供給」「安定価格」をお客様への提供価値として全精力を傾けてまいりました。
まだまだ至らない部分も多いですし、弊社だけでできる部分は微力ゆえに限られておりますが、特に現状における「安定供給」は強い責任感をもってなんとしてでも成し遂げなければならないと考えています。
■2022年は…
上記グラフは「コロナ前である2019年各月実績」と比べての増減率を輸入全体とクラシックでそれぞれ2020年以降の23か月推移を示したものです。
コロナ第1波の2020年5月には、輸入全体で前年同月比▲39%減(クラシックは▲35%減)と最大の下げ幅を記録しました。その後は回復基調にはなりましたが、輸入全体は通年ベースで2021年でも対2019年比▲9%程度で推移していることからわかるとおり、各月単位でも今に至るまでマイナス基調での推移となっています。
しかし、おかげさまでクラシックは2020年9月頃を境にして(多少凸凹ありますが)2019年レベルの数量まで戻し、その後、おおむねプラス基調で推移しています。
2021年全体の実績は、おそらく対2020年比で+9%増程度、そして対2019年比でも+1%増程度と、全体数量としては何とかコロナ前に戻し、超えることができました。
当然、数量さえあればいいというものではありません。また、コロナによる国際物流の乱れはまだ当面続く可能性が高いです。
しかし、だからこそ、この2022年はクラシックの切花輸入専門商社としての力量が試される一年であり、その中でわたしたちは、花を求める方々へ、望まれる花を、確実に届けるために最善をつくしてまいります。
花を愛でるすべての方々にとって、そして花の生産・流通・販売にかかわるすべてのみなさまにとって、この2022年が良い1年となりますように。
そしてクラシックの行動規範のひとつである「Smile」が一つでも多く生まれるよう、みなさまとともに花業界を、そして日本を微力ながらも盛り上げていければ幸いです。
代表取締役 社長
西尾 紀央
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