クラシック試験室から 第14回
■平和でいたい…
クラシック試験室のキタです。
先々週からロシアのウクライナ侵攻という暴挙が行われています。どんな理念や背景などがあったとしても、武力行使という行為そのものに憤りを感じないわけにはいきません。一日も早くウクライナのみなさんに平和な日が訪れることをお祈りするばかりです。
■桃の節句も終わり…
さて、そんな物騒な国際情勢ではありますが、先週はお雛様、そう「桃の節句」でしたね。
私は男兄弟の中で育ちましたので、実際にはあまりピンとこないお祭りではありますが、旧暦の3月3日の頃に桃の花が咲くことや、桃は魔除けの効果を持つと信じられていたことに由来する様ですね。
これから、春になると咲き始める、梅、桃、桜。どれも日本の春を代表するような花たちです。
この3つの花は同じバラ科の花で、咲く時期も花もよく似ています。
花びらの形(桃の花は先端が尖っていますが、梅は丸く、桜はクサビ形に切れ込みが入ります)や、1節に咲く花の数(桃の花の数は1~2個。梅は1節に1個、桜は1節に複数)などで、区別されますね。
ちなみに、国内のモモの産地の第1位は山梨県で以下、福島県、長野県、和歌山県、山形県…と続くようです。(結局食い気の話になってしまいました…)
■今週は…
時事ネタが続いておりますが、今週、3月8日は国際女性デーです。
花の国日本協議会でも、国際女性デーを“花”で盛り上げたいという事で、頑張っている女性たちを黄色い花で応援 “「幸せの黄色い花」を贈ろう”キャンペーンを実施しています。
昨今の気候変動の影響もあり、「ミモザ」の供給が年々不安定になっていることから、ミモザを代表とする「黄色~オレンジ色系の春の花々」を前面に打ち出しながらのキャンペーンとなります!
春を告げる花々には黄色・オレンジ系のビタミンカラーも多く、手にするだけで、部屋にちょっと飾るだけで、気持ちが明るくなり元気になる「ビタミンF」効果も期待できるのではないでしょうか。
そして来週は、ホワイトデーへと続き、お花を楽しむ機会には事欠かない季節ですね!
■続ける事
さて、試験室だよりですので、試験室での仕事について少し触れていきたいと思います。
といいながら、スポーツ界の話からとなりますが…
イチロー選手のバットについての逸話があることをご存じでしょうか。
彼は、バットやグローブを「道具ではない。自分の一部。自分の体の一部」と語るほど、使う野球用品を非常に大切に扱う選手でした。そんなイチロー選手のバットは、プロ2年目にミズノを訪れ、バットの仕様(サイズや重さなど)を決めて以来、バットに変化を加えなかったそうです。
多くのバッターは年齢や経験でバットの形状やバランスを調整しますが、イチロー選手の場合は、現役時代通じて同じバットを使い続けられるように体を鍛え、練習することでずっと技術と体力を維持し、2019年に引退するまでこの形状を使い続けました。彼は、打席や試合が終わった後にバットを誰よりも丁寧に手入れするそうですが、その間のほとんどの時間は、どこにボールが当たったのかを見ることに費やしており、どうすれば自分が望む場所に当てられるか、バットの当たったところを見て考えていたそうです。
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、基準を定めて、その基準に対する変化を粘り強く見える化して、分析していく。こうした姿勢は、様々な試験を行う私にとっては、とても参考になる事例だと考えています。
■最近の仕事
以前も申しあげましたが、試験室の仕事には、大きく分けて仕入担当者から依頼されて行う委託試験と、自らがテーマ(仮説)を立てて行う、自主試験の二通りがあります。
切花の鮮度保持にとって、温度を管理することはとても重要なことです。輸入切花の鮮度を保つために、プリクールをおこないますが、急激な温度変化によって「いち早く代謝が抑制される温度帯へ移行する」というメリットもあれば、「結露が発生しやすい」というデメリットもあるといわれています。結露以外のデメリットが発生することはないのか…と考えており、その確認方法について思案中です。
デメリットを考える必要がなければ、プリクール施設を拡充するなどの対応につなげていきたいと考えています。
また、コロナ禍という事もあり、市販の石鹼を用いた殺菌と水あげの改良についても、実験してみたいと思っています。
■花のある暮らしっく
冒頭記載した通り、世界中が平和であることを心から祈りながら、来る春に向けて、お花を楽しむ機会が増えてくることに、気持ちが救われていることを実感しています。
身の回りに、気に入った花を置きながら、花のある暮らしっく!
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