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輸入切花専門商社 株式会社クラシック

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CLASSIC スタッフブログ Vol.168

2023.09.25

このコーナーでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。

今週のブログは営業推進グループより三好お届けします!

どうぞお楽しみください!


■筑波実験植物園

営業推進グループの三好です。朝晩には秋に鳴く虫の声が聞こえるようになり、秋の気配が感じられるようになりましたが、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか?

我が家は今年の春から息子が一人暮らしを始めたこともあり、家の片付けをボチボチと。ある日、屋根裏部屋へいくと、20年以上前に使用していた植物図鑑を発見!

 

なんとなくパラパラと眺めていると、写真の植物とその名前が一致せず、たいぶ忘れているな~と思いつつ、この植物はあそこで初めてみたんだ、などなつかしくみていました。

 

そんな事を思い出していると、ある雑誌に「筑波実験植物園」の紹介が。

この植物園は全体の面積が約14万平方メートルあり、「植物の多様性を知る、守る、伝えることを使命とし」7,000種類を超える植物が植栽され、3,000種をみることができるとのことでした。

そしてこの植物園は「国立科学博物館」の施設の一部として運営されており入園料は320円と破格のお値段。今のご時世、絶対にガソリン代の方が高いと思いながらもいってみることに。

 

屋根裏で眠っていた植物図鑑の一部

 

■想像以上の所でした

車で走る事、約1時間半。車を止め園内に入ると入口付近には樹高 30mはありそうなメタセコイヤやセコイヤの巨木がならびその間を抜け歩いていくと「中央広場」へ。

 

メタセコイヤやセコイヤが並ぶプロムナード

 

 

 

その先には森林の様相が広がり林床にはシダ植物が多くみられるエリアに到着。

そこにはリョウメンシダやベニシダ、イノデなど一般的にみられるシダ類の他にみたことも聞いたこともないようなシダ類も多く展示され全てに種名の表記がありました。

シダ類の同定(動植物の分類学上の所属を正しく決めること)に苦戦していたことを思い出しながら、さすが国立博物館と感心させれました。

 

シダ植物類が多く展示されているエリア

 

その他には水生植物のみられる場所や日本の暖温帯から冷温帯の森林や低木林、山地草原、砂礫地、岩礫地など多様な環境が再現されたエリアが屋外に設置されています。

ここでも比較的広く生育している植物のほか、各地域の固有種なども展示され普通では一度に観察することのできない木本類や草本類を多くみることができ、ずっといても飽きないエリアでした。

 

また、屋内施設もあり熱帯雨林、サバンナ、水生の3温室が管理されています。

それぞれの地域に関連する海外の温帯植生が形成されていて、初めて生育しているヘリコニアやカカオの実と花を目にしました。

屋内施設も屋外に負けず劣らず、多様な環境が設けられており、珍しい多肉植物やエアプランツ、サボテンのようにみえるトウダイグサ属の説明などを読みながら楽しく観察することができました。

植物園内には所々に解説板が設置されていて新たな学びもあり、有意義な一日となりました。

そして、一番の発見は園内に植えられている植物の種名を記載している看板の科名にあった「旧」の文字です。

 

筑波実験植物園 
ヘリコニア・カリバエア
チランジア・ウスネオイデス(サルオガセモドキ)
色々とある解説板の一つ
サボテンに似たトウダイグサ属の植物

■AGP分類体系?

 

 

たとえば写真のこちら。

種名がエンコウカエデなのにカエデ科からなぜかムクロジ科に変更???昔の科名が変更になったのか?とよくわからず説明をみると、近年、植物の分類が大きく変わったとのこと。

 

その昔、私が覚えた植物の分類は葉や花、茎などの形態などによりシダ植物、コケ植物などと種子植物、裸子植物 と被子植物、単子葉類と双子葉類、離弁花類と合弁花類でした。

しかし、1990代からDNA情報に基づいた分類体系を示すことが可能になり、本当の進化の道筋を表していない部分があることが明らかになったそうです。

そこで今では被子植物系統学グループ(Angiosperm Phylogeny Group: APG)という研究組織が集積して体系化したAPG分類体系と呼ばれる分類に置き換わっているとのことでした。

 

難しいことは分かりませんが、今までは顔が似ているので君たちは兄弟!とされていたものが、血液型を調べると全然違ってた!というようなものとの説明を聞いて深く納得することができました。

 

■新しい植物の楽しみ方

そんなある日、久しぶりに祖父(妻の父)との海外旅行を楽しんできた息子が帰宅。親父である私は入園料320円の植物園で楽しみ満足してきたのに…と思いつつ無事の帰国、帰宅に一安心。

お土産のワインを飲みながら美術館や遺跡、食事などの話を聴いたり写真をみたりしていました。

すると、歴史のある建物やベランダなど多くの場所で花を目にすることがあったそうです。

日本と海外とでは文化や習慣の違いは多々ありますが、花を楽しむ文化は世界共通なんだなと改めて思いました。

植物の楽しみ方として身の回りに花や観葉植物を飾ったり、自然の中で植物をみたりすることはありましたが、植物園にいって楽しむといった発想はありませんでした。

 

今回、訪れた植物園では植物の科名が変更になっていることに大変驚き、各所に設置された解説から新たなことを知ることができたので、興味を持ち行動し新たな知識を得ることの大切さを更に考えさせられる機会となりました。

各地にある植物園のテーマはそれぞれ異なり、展示されている植物も個性的で、新たな発見があったりするようなので、「植物園での植物観察」といった新しい植物の楽しみ方を続けていきたいと思います。

 

ちなみにですが…

ウィキで調べると筑波実験植物園も朝ドラのモデルとなった牧野富太郎博士ゆかりの高知県立牧野植物園も日本植物園協会というのに加盟している植物園で、協会加盟の植物園は、学校や薬物研究でない「単独で存在する植物園」でも70近くあるそうです。

協会加盟でない植物園(足利フラワーパークとか、国営ひたち海浜公園など)は170を超える数になるので回り切るのも大変そう…

 

息子の旅行写真。有名な作品でも美術館での写真撮影がOKなのにはビックリ
寄せ植え鉢とアマルフィ海岸   花を楽しむ文化は世界共通
南アフリカに分布するルリマツリ


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